床の耐用年数の計算の仕方は?内装工事を扱う業者が解説

みなさんは床の張替えを行った場合に、耐用年数はどのように計算するかご存知でしょうか?

これから確定申告をするというような店舗事業主の方であると、床の張替えを行う場合、耐用年数の計算方法について知っておく必要があります。

 

そこで、床の張替えを行った場合、耐用年数はどのように計算するかについて解説していきます。

 

内装工事 床

 

□床の耐用年数に対しての考え方

 

経過年数は使われている素材で考慮される年数が変わってきます。

例えば国土交通省のガイドラインでは、フローリングの耐用年数については、経過年数を考えないように定められています。

しかし、フローリング全体における毀損によって床全体の張替えを行った場合には、当該建物の耐用年数で残っている価値一円となる直線を想定し、負担の割合を算出します。

つまり、フローリングの耐用年数を考える場合、「経過年数を考慮するのか、しないのか」で、二通りに分かれてくるということになります。

 

*耐用年数における経過年数を考えない時

 

上記でも述べたガイドラインにおいては、床を部分的に補修する場合、フローリングの耐用年数における経過年数を考えないようにしています。

部分的に補修したところで、フローリング自体の価値が再び回復するわけではないため、経過年数を考えないということになります。

 

*耐用年数における経過年数を考える時

 

フローリングを全面的に張替えを行う場合には、経過年数を考慮します。

全面的に行うとフローリングの価値が回復すると考えられているからです。

この場合の計算方法は、該当する建物の耐用年数で残っている価値が一円となる直線を想定し、負担割合を算出します。

 

*クロスや畳床、カーペット、クッションフロアの場合

 

クロスの床である場合には、六年で残っている価値が一円となるような直線を想定し、負担の割合を算出します。

 

□フローリングの種類には何がある?

 

フローリングの種類には「無垢フローリング」「合板フローリング」「カラーフロア」の3つがあります。

ここではそれぞれのフローリングの特徴をご紹介します。

 

まずは無垢フローリングです。

これは自然の中にある天然木を切り出し、その木材を床材として使用したものです。

複数の木材を組み合わせて加工しないため、その木が持つ個性が楽しめます。

木材の種類ごとにデザインが異なるので、お好みで選んでみてくださいね。

 

無垢フローリングの魅力は、なんといってもその手触りにあります。

天然木から加工された無垢フローリングの質感は優れていて、手触りが非常に良いです。

また、時間が経つにつれ床材の表情が変わっていき、自然の雰囲気を楽しめるという側面もあります。

つまり、床を貼った時から経年変化を楽しめるということですね。

 

ただし、単一の木材から加工するため単価が高かったり、木材によっては傷やねじれが起こりやすかったりすることが注意点です。

無垢フローリングでは床材の撥水性を保つために、ワックスやオイルなどで手入れすることをおすすめします。

 

次は合板フローリングです。

これは複数の木材を貼り合わせて加工された木材です。

天然木の薄い板を表面材に使用するため、合板フローリングはデザイン性が高く、耐水性も高いのが特徴です。

 

表面材を貼り付ける方法には挽き板と突き板の2つがあります。

挽き板は天然木を約15ミリメートルの厚さに加工して貼り付ける方法であり、突き板は木材を薄く切り出して基材に貼り付ける方法です。

 

合板フローリングの魅力は単価が安いことと床のねじれが起こりにくいことです。

また、傷やカビに対しても強く、耐久性が高いことも魅力的です。

ただ、耐久性は無垢フローリングよりも高いとはいえ、一度傷がついてしまうと修繕しにくいのが合板フローリングのデメリットとして挙げられます。

加えて複数の木材を使用することで経年劣化が早まるので、注意が必要です。

 

最後はカラーフロアです。

カラーフロアは台板と呼ばれる基材の表面に木目調を印刷したシートを貼ることでデザイン性を高めたフローリングです。

表面材にシートを使用するため、色や柄を自由にチョイスでき、好みのデザインに仕上げられることが最大の魅力の1つです。

 

基材には合板やMDFが使用されています。

MDFとは、日本語にすると「中密度繊維板」と訳され、見た目はボード状で木材に近い材質をしています。

これによって表面塗装が固く、重たい家具を置いても傷つきにくくすることが期待できます。

 

しかし、シートの下は合板やMDFですので、一度傷がついてしまうと表面材が破れてしまう可能性が高いです。

カラーフロアに傷がついたらすぐに補修材を塗って、専用ペンなどで修正部分を塗装する必要があります。

 

価格が比較的安く、手入れする頻度が少ないため、時間に余裕がなくメンテナンスを頻繁に行えない方にオススメのフローリングです。

 

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□フローリングの張り替え時期を判断するポイントをご紹介!

 

フローリングの種類についてご紹介してきましたが、フローリングはどのタイミングで張り替えると良いのでしょうか。

ここではフローリングの張り替え時期を判断するポイントをご紹介します。

そのポイントとは、「傷や汚れが目立つ」「日焼けや色あせが目立つ」「床鳴りや軋みを感じる」の3つです。

 

1つ目のポイントは傷や汚れが目立つことです。

無垢フローリングであれば、表面の傷や汚れは削ることによって補修できます。

しかし、複合フローリングの場合、本体を貼り替えない限り補修するのは非常に困難です。

ちょっとした凹みや汚れであれば問題ないですが、床材の耐久性に大きな影響を与えるような傷を放置していると、思わぬケガやトラブルを招いてしまう可能性があります。

 

そのため、傷や汚れによって生活に影響が出る可能性を感じた場合は時期の目安に関係なく、フローリングの張り替えを検討すると良いでしょう。

 

2つ目のポイントは日焼けや色あせが目立つことです。

たとえ傷や汚れがついていなくても、日当たりの良い部屋だと経年変化によって床の色が日焼けしたり色あせしたりしています。

 

これは経年変化の1つであるため、補修でどうにかなるものではありませんが、状況が悪いと表面が毛羽立ったり、板が浮いてきたり、剥がれてきたりします。

これによって床の機能そのものに大きな影響が出る可能性があります。

そのため、これらの変化が見られた場合は、早めにフローリングの張り替えを検討すると良いでしょう。

 

3つ目のポイントは床鳴りや軋みを感じることです。

これまで室内を歩いていたらギシギシと音が鳴った経験はありませんか。

これは経年劣化によって床板が反ったり縮んだりして、隙間ができていることが考えられます。

そのため、このようなことが起こったタイミングで床の張り替えを考えると良いでしょう。

 

ただ、これらの現象はフローリングの張り替えだけでは解決しない可能性があります。

フローリングだけでなく床を支える構造部が劣化していることも考えられるため、専門会社に床下を点検してもらい、原因を正しく把握しておきましょう。

 

□当該建物の耐用年数

 

当該建物の耐用年数については、国税庁によって定められています。

木造の場合「22年」、軽量鉄構造の場合「19年」、鉄構造の場合「34年」、鉄筋コンクリートの場合「47年」とされています。 

 

□最後に

 

床の張替えを行った場合、耐用年数はどのように計算するかについて解説してきました。

床の張替えを行う場合には、床の素材によっても計算方法は異なってきます。

それから、経過年数を考慮に入れるか入れないかによっても変わってきます。

これから確定申告を行う方は、ぜひ参考にしてみてください。