重文見聞録2 萬翠荘

 

 

 

 

 

 

●萬翠荘とは

 

松山市にある重要文化財、萬翠荘に行ってきました。

 

萬翠荘は1922年(大正11年)旧松山藩主家の伯爵久松定謨(さだこと)

 

が別邸として建てた、フランス・ルネッサンス風の洋館です。

 

松山では最も古い鉄筋コンクリート造建築だそうです。

 

坂の上の雲ミュージアムを超えて坂を上がっていくと

 

木々の間から水面に移る萬翠荘が見えてきました。

 水面に移る萬翠荘

 

萬翠荘外観5

 

●外観

萬翠荘外観3

 

コリント式

 

玄関車寄せの柱はコリント式の装飾がされています。

 

天然スレート屋根

 

屋根は「鱗瓦」と言われる天然スレート葺き、頂部は銅板で

 

青みどり色がきれいです。

 

玄関大理石

 

玄関入ると白と黒の大理石の床。ひび割れたままになっているのは

 

当時の素材のままだからでしょうか?

 

●エントランスホール

玄関正面

 

エントランスホールに入ると立派な階段と

 

ステンドグラスそれから岡山産万成石で出来た

 

二本の柱が目に入ってきました。

 

玄関万成石  

桜御影と言われるだけあって、ほんのり桜色です。

 

 

中央う階段

 

中央階段2

 

階段手摺アップ

 

”正面階段の手すりは継ぎ目の無い南洋チーク材の一本木”

 

という風にWikipediaにはかいてあります。

 

 

ステンドグラス

 

階段踊り場にあるステンドグラスは萬翠荘の内装の

 

中でも特に大きな見どころの一つです。

 

このステンドグラス、パーツの1枚1枚がグラデーションに

 

なっているため、当初はアメリカ、ハワイ製だと考え

 

られていたそうです。(ヨーロッパのステンドグラスは

 

単色だそうです。)ところが2010年の愛媛県の調査によって

 

木内真太郎制作だということがわかりました。

 

 今からのステンドグラス

 

またこのステンドグラスは2F中央の居間から眺めるとちょうど

 

目の高さに来るように配置されています。

 

●晩餐の間

晩餐の間

 

1F晩餐の間と名付けられた大広間は茶色を基調とした

 

落ち着いた雰囲気でした。

 

クリスタルシャンデリア 

 

水晶でできた豪華なシャンデリアがありました。

 

晩餐の間床 

 

床は当時のままではないとは思いますが、

 

青ベースのアキスミンスターカーペットが

 

一面に敷かれていました。

アキスミンスター青

 

アキスミンスターカーペットは機械織りカーペットの

 

最高級品と言われています。

 

●謁見の間

謁見の間

 

1Fにあるもう一つの大広間、謁見の間は白を基調にしており

 

大変優美な雰囲気でした。

 

謁見の間

天井は漆喰でできているそうです。

 

絵画

 

「神奈川台場の図」と「三坂峠」の二つの壁画

 

が描かれています。

 

 

謁見の間床

 

晩餐の間と対比するかのように、謁見の間には赤の

 

アキスミンスターカーペットが敷かれていました。

 

アキスミンスター赤

 

●マントルピース

 

また萬翠荘の各部屋には大理石とベルギー製の

 

鏡でできたマントルピースがあり、

 

それぞれデザインが異なります。

 

晩餐の間マントルピース  

 

謁見の間マントルピース     

萬翠荘建設当時はガラスを平滑にする技術は

 

ベルギーにしかなかったそうです。

 

ちなみにマントルピースについた鏡は

 

顔を映すためではなく、部屋を広く明るく

 

見せるためだったそうです。

   夫人部屋マントルピース

 

居間マントルピース  

 

●設計者、木子七郎

 

四国に居ながらにしてまるでヨーロッパに来たかの

 

ような気分になりますが、実は西洋建築は左右対称が

 

多く、この萬翠荘は日本人の美意識で左右非対称に

 

造られているのだとか。

  萬翠荘外観4 

 

萬翠荘外観

 

設計者はこの人、”木子七郎”

木子七郎

 

他にも下の写真の愛媛県庁本館も彼の設計だそうです。

 

愛媛県庁

 

香川からなら日帰りで行けるプチヨーロッパ旅行でした。

 

 

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