前回は広島で開催されたウォールボンド講習会での座学講習を中心にレポートしました。
今回は施工体験でのクロス材料の違いやクロス糊の種類についてレポートします。
このブログを書いた人:リョーゾー社長
●内装工事職人歴20年、一級壁装技能士、ライティングコーディネーター資格者、3Dマイホームデザイナー操作技能者
●施工体験も充実
いくら座学がためになるとはいえ、さすがに丸2日間も座りっぱなしでは半分居眠りに行っているのようなもの。
そこは職人中心の講習会ですから、施工体験もたっぷりさせていただきました。
材料価格が高くて普段触れないような材料もここぞとばかりに準備してくれていました。
金箔クロス、銀箔クロスも施工体験できました。
これは今年2019年7月に発売されたトキワ工業㈱のウルトラスウェードを施工しているところです。
(ウルトラスウェードは本物の皮ではなく、人口皮革で質感はまさにスウェードです。)
これは茶室の腰張りに和紙を張る練習です。
これは壁紙張り替えの際に裏紙が残る従来の壁紙とは違う、剥がせるフリース壁紙です。
糊は一般的な原液使用ボンド入りの物を使っているにも関わらずこのお手軽な感じ。
将来の壁紙のスタンダートになっていく可能性は高いです。
●糊の違いを解説!
「一体いつになったら糊の知識を教えてくれるんだよ!」とイライラしながらブログを読み進めてくれた職人の皆様。
いよいよここらで職人しかわからない、職人にとっては使える知識、糊の種類の違いを公開してみたいと思います。
これは2種2号、原液使用タイプボンド入り糊のいわば汎用品。
希釈タイプと違って乾燥時間が長くとれるのでエコクロスなど乾燥の早いタイプのクロスなんかも使われます。
また糊の変色が希釈タイプと比べて少ないです。
このタイプの糊は使ったことある人のほうが多いのではないでしょうか。
これは前出のウォールボンド100にさらに粘りを足したような糊で、実際に糊付けして張り付けてみるとよくわかりますが、下地にネチャッと強くくっつきます。
冬場の硬いクロスの施工などに向いているのではないでしょうか。
デメリットとしては初期接着力が強いので施工性が少し落ちて、ずらしがききにくいです。
これはウォールボンド100にさらに倍量のボンドを混入したものです。
ボンドが多いと乾きが早いのではないか?と思う方もいるかもしれませんが、ウォールボンド工業さんのボンド入り糊には最初から乾燥調整剤が入っているため乾き時間を気にせずに施工できます。
くっつきの悪そうな下地や材料の場合に使うといいのではないでしょうか。
この糊は薬品を使って溶いた糊と違って煮込んで作った煮糊をベースに作られているものです。
薬品を使って溶いた糊に比べてさらに変色のリスクがなく、かつ煮糊の弱点である接着力と耐久性の弱さをボンドを入れることによって補った2種2号の糊です。
和紙壁紙や織物壁紙などの強通気性の材料に最適です。
デメリットとしては煮込むのに手間とコストがかかるために値段が高い!ということです。
これは向こう糊専用糊で、今回施工体験はできなかったものの、裏打ち紙のない壁紙、掲示板クロスなどの向こう糊に最適だそうです。
接着力が強く、床糊のようなイメージだという話です。
また施工体験の中で実際に「ふのり」を煮込んで作って使わせてくれました。
これも大変貴重な体験でした。
(むかしながらの煮糊、ふのりは大変腐敗が早いそうなので、自分で試される方はその点ご注意ください。またそのまま使えば接着力も弱いそうです。)
いかがだったでしょうか?
今回の記事がクロス職人の仕事に少しでも役に立てば幸いです。
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プロファイル:
小山良造 1976年2月17日生まれ
●芸術的職人集団、㈱R.Life代表取締役。
●壁紙の職人として起業したのち内装全般を彩る職人として活躍中。
●日々の活動やホテルの内装、重要文化財の建築を見て回ったり、海外の展示会に足を運んだりしたインテリアブログも好評。
●ちょっとした国際通。
●アウトドアスポーツが趣味。
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