【セミナー会場はウインク・アイチ】
さる2018.2.14、名古屋で開催されたインテリア文化研究所主催の2018インテリアトレンドセミナーに参加してきました。
これはインテリア文化研究所代表の本田榮二さんによる2018年ハイムテキスタイルの解説”や、壁紙業界の課題や展望についてのセミナー約1.5時間、
エルクリエーション㈱代表の高田真由子さんによるパリ・デコ・オフ、ハイムテキスタイルを中心とした海外トレンド解説、欧米トレンディーホテルのインテリア紹介約1.5時間という2本立てのセミナーでした。
ハイムテキスタイルにはわれわれもいきました。
【ハイム会場はすごい人手でした】
高田さんの解説の中で私が特に記憶に残った解説は、SNSがインテリアに与える影響、それから都市人口の割合がもっと増えることによるインテリアへの影響でした。
SNSの影響では俗にいう“インスタ映え”のするインテリアやコレクター向けなインテリアなど、見せるインテリアが増えるという話でした。
都市型のインテリアということでは、まず部屋のスペースが小さいのでリビング、洋室、寝室などと分けるのではなく寝室と洋室兼用、ダイニングと洋室兼用などの部屋の効率的活用などもありました。
ちゃぶ台を出せばダイニング、そのあとは布団を敷いて寝室に、という一昔前の日本の住居をイメージすればわかりやすいでしょうか。
また家具もできるだけシンプルで効率的なものにというのも一つのトレンドなのでしょう。
●インテリア文化研究所の本田代表のセミナー
【欧州インテリア旅行では本田さんとご一緒しました】
本田さんの解説の中で私が特に興味を持ったのはデジタルプリント技術に関する話と海外の壁紙との互換性に関する話でした。
以前まではグラビア印刷やシルクスクリーン印刷で壁紙を作るしかなく、要するに量産することを前提にした仕組みでした。それに対して家庭用のプリンターのようなインクジェット印刷は量産するためではないけれども自分でアレンジしたものを必要数だけ印刷できます。
もっと平たく言えばオリジナル壁紙を作ることが容易になったということです。
またデジタルプリント技術は壁紙の分野に限定されず、カーペットでも広がっていっており、今までのカーペットでは表現しえなかった多色表現やデザインも可能になってきています。
【ハイムテキスタイルではたくさんのデジタルプリント機械が展示されていました】
海外の壁紙との互換性の話では世界の壁紙はフリース壁紙が主流になっているという話でした。フリースとは不織布のことで、繊維を「織り上げた」布に対して、繊維を接着剤で固めてくっつけた「織っていない」布という意味です。
パルプ75%ポリエステル25%の割合でできています。
このフリース壁紙の特徴は、施工が簡単、引張り強度に強い、リフォームが容易、紙と違って水分で伸び縮みが少ないなどで、クレームの減少にも役立っています。
フリース壁紙は2015年のデータでは、ヨーロッパでのシェアは78%、ロシアが87%、北アメリカは70%、南アメリカは85%、アジアは35%だそうです。
(インテリア文化研究所の資料による)
このアジアでの割合が低いのは日本と中国の市場がフリース化していなかったからで、今では中国の市場もフリース壁紙が増えてきており、おそらく70%程度になってきているのではないかということです。
驚くことに日本でのフリース壁紙の割合はなんと0%です。
壁紙大国ドイツで生産されたフリース壁紙の半数が海外に輸出されているにも関わらず、日本の壁紙の生産量に対する輸出割合は0.3%です。
(日本壁装協会の2015年統計データによる。ちなみに同データによると日本の壁紙は塩化ビニル樹脂系、プラスチック系の二つで98%以上になります。)
なぜ日本ではフリース壁紙がないのでしょうか?
その答えはフリース壁紙が日本の防火基準をクリアできないからだそうです。
一部には安全に関する規制は強ければ強いほどいいと考える人もいますが、完璧を求めすぎるがゆえに無くしているビジネスチャンスも考慮する必要があるということでしょうか。
【ハイム会場で展示されていたリサイクル建材。圧縮して樹脂で固めた布や新聞紙をタイル状にしている】
【News paper woodは木目みたいできれい。木から新聞へ、そして新聞から木へ】
ともあれ、われわれ職人が普段現場で壁紙を張っているだけではわからないような業界の話なども聞けて、大変ためになったセミナーでした。
【ハイムテキスタイルでは壁紙張りギネスに挑戦をしており、リョーゾー社長も参加しました】
0120-6969-33
内装リフォーム(クロス張り替え、クッションフロア張り替え、カーテン、ブラインド、ジュータン張り替え)
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