●初めに断っておきたいこと
今回シックハウス症候群についての記事を書こうと思うのですが、
まず最初に断っておきたいことがあります。
それはこの記事は主に「インテリアの話」2006年初版
本田榮二・著の中の第三章インテリア環境問題、の中の
「ホルムアルデヒドの発生源と対策」の記事の内容を要約した
記事になっているということです。
本田榮二さんは東洋リノリューム(現在の東リ)で25年間にわたって床材、
カーペット、壁紙など内装材の商品開発に携わり、定年後は
インテリア文化研究所を設立して比較インテリア史とインテリア環境問題を
ライフワークとして研究されている方で、インテリアに関する評論文も
多数出版しておられます。
本来ですとこの本の記事の内容を自分で実験検証してから
記事にするべきなのかもしれませんが、科学知識に乏しい私が実験検証する
よりも私見として大変信頼に値すると判断したうえ、記事にさせていただきます。
したがって、反論反証がある方はぜひともご意見をお聞かせください。
●シックハウス症候群とは?
まずシックハウス症候群とはなにかということをご確認ください。
かなりザックリというと、建材として使われているもののなかから
空気中に発生した化学物質による健康被害のことで、
特に問題視された化学物質がホルムアルデヒドです。
このホルムアルデヒド問題は1970年に一度そして15年後の
1995年のPL法施行に伴って再び問題となります。
●クロス用糊とホルムアルデヒド
そしてPL法についてNHKなどのマスコミが大きく取り上げた
こともあって社会問題化しました。当時はホルムアルデヒドに
関する情報や知識も限られており、具体的なデータが少ないままで、
壁紙がホルムアルデヒド放散の主役のように疑われたようです。
私は今でも時々現場で、お客様から、「壁紙で使う糊にはホルマリン
(ホルムアルデヒドのこと)が使われているんじゃないの?」
ときかれることがあります。
また「シックハウス症候群 壁紙」などとネットで調べると
今でもホルムアルデヒドが防腐剤として壁紙用の糊に使われているかの
ような記事が上位検索され愕然とします。
●クロス用糊にはホルムアルデヒドは入っていない
最も大事なことなので最初に書いておきますが、今のクロス糊には
ホルムアルデヒドは入っていません。
もう一つ言うとわたしがこの業界に入った18年前から、一度も
ホルムアルデヒド入りの糊を使っている人を見たこともありません。
著書の中では「本格的な調査や研究が進むにつれ壁紙からの
ホルムアルデヒド放散は極めて低いレベルで、おそらく問題が浮上した
当時でもほとんどの壁紙は0.08PPM以下をクリアーしていたのでは
ないだろうか。」ということが書かれています。
もしホルムアルデヒド入りの壁紙糊が使われていたとしたら
1995年より以前だと思います。そしてその当時の糊からホルム
アルデヒドがいまだに放散されているということもあり得ません。
このクロス糊に使われていたホルムアルデヒド自体は単体で糊に
含まれていただけなので、糊が乾燥すると同時に揮発して放散
してしまいますので、数日後には消えてしまうそうです。
●壁紙の裏打紙とホルムアルデヒド
また、短く割愛しますが、壁紙は発砲ビニル層と裏打紙の層から
構成されていますが、かつての壁紙はこの裏打紙がホルムアルデヒド
の放散源であったことも分かっています。
昔の裏打紙には難燃剤と紙力増強剤が含まれていたらしく、そこから放散
していました。しかし、今では裏打紙には普通紙が使われていて、難燃剤は
添加されていないようです。また紙力増強剤もノンホルマリンタイプに
切り替わっているので心配無用です。
もし未だに壁紙がシックハウス症候群の原因だというようなことを
平気で言うような業者がいれば、不勉強だと言わざるを得ないと思います。
しかしそれでは一体シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドは
一体どこから放散されるのでしょうか?
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内装リフォーム(クロス張り替え、クッションフロア張り替え、カーテン、ブラインド、ジュータン張り替え)