今回はちょっとインテリアとは離れた話題ですが、新築を建てたりリフォームをした方なら平面図をみて間取りをチェックしたことがあるかもしれませんね。
WCとはどの部屋のことかご存じですか?
はい、もちろんトイレのことですね。ではこのWC、いったい何の略でしょうか?
これもちょっと調べてみたらわかりますが、Water closet(ウォータークローゼット)の略です。
ではではこのWater closetがなぜトイレのことなんでしょうか?
実はこれには昔のヨーロッパの貴族の生活様式が関係しているのです。
ヨーロッパの貴族の住宅には主室とセットで後室があり、これをクローゼットと言ったそうです。この後室としてのクローゼットは身の回りの様々なことを行うところでした。着替えもクローゼットの中で行われていましたが、当時の貴族の洋服は複雑で何重にもなっており、一人では着替えられず、おつきの者も一緒に入れるように十分な広さがあったようです。
一方で貴族の住宅とはいえ専用のトイレが設置されるようになるのは近代になってからのようで、それまでは「オマル」を使って用をたしていたのです。当然用をたすには服を脱がねばならず、そのためオマルを使って用をたすところもまたクローゼットだったのです。
やがて水洗便所が室内に設置されるようになってくるとクローゼットから「用をたす場所」という機能はなくなり、結果として着替えのための衣服を収納する場所という機能だけが残ったのです。
現在のトイレを表すWC、Water closetとは水道設備のあるクローゼットという意味で、昔のクローゼットから「用をたす」という機能だけを取り出したクローゼットという意味なんですね。
さあ、みなさんこの記事を読んだからといって、間違ってクローゼットで用をたさないように気を付けてくださいね。